社長ブログ

OMソーラーハウス
 平成元年、OMソーラーハウスに取り組んでまず行ったのは部屋の温度を測る事。それまで言葉では快適な家を造ります。と言いながら、室温の測定すら行ったことがなかったのです。
OMソーラーは太陽の熱を屋根面で集熱し、温まった空気をダクトで床下に送り全室暖房を行う仕組み。限られた太陽の熱を有効に生かすためには、どのくらい熱量が採れてどのくらいの部屋を暖める事が出来るか?という、設計段階での温熱シミュレーションがとても大切です。大学の環境工学では空気の流れや熱の伝わり方を学ぶものの、それらを活かして住宅の設計を行う事は、当時皆無で、日本で最も先進的な取組みでした。
 ところが問題発生。空気が漏れないようなきちんとした施工をしても、シミュレーション通りの室温が得られないのです。問題は窓の断熱性能が不足していると判明。早速、ペアガラスを全棟に採用することを決めました。(当時は断熱サッシではなく普通のサッシにガラスのみペア施工をしていた。)
 次に問題となったのは壁の断熱。当時はグラスウールを採用していたが、現場に行くとコンセント周りや配管・配線周り、端部に隙間があることが判明。早速、メーカーの担当者を講師に招き、大工さんを集めて断熱講習を実施。「よし、これでバッチリ。」と思い、現場に行くと・・・。「気をつけて施工しているのですが・・・。やはり隙間なく施工するのは無理があります。」との声。
そのとき思い知ったのは、「メーカーが言う断熱性能は100%完全に施工されることが前提。一方、施工は工務店の責任。ならば完全に施工できる断熱材を探さなくては・・・?」と言う事。
それから断熱材探しが始まりました。より完全に施工できる工法を3種類発見。一つはウレタン樹脂を壁の中で発泡する工法。もう一つはマット状のグラスウールではなく吹込み用のグラスウールを壁に吹き込むBIB工法。そして新聞紙をリサイクルしたセルロースファイバーを壁に吹き込む工法。
結果、木質繊維が残り、調湿や吸音性能も併せ持つセルロースファイバー断熱材の乾式吹込み工法を採用することを決め、計画していた自宅にテスト採用しました。
施工性はバッチリで、壁の中に完全に充填出来ることが経営者としてなによりも安心でした。翌年、全棟に採用を決め、専門的に施工を担当する施工班を設置(セルダン事業部)したのです。
当初、工事担当者は、コストアップになることや工程に配慮しなくてはならないことを挙げて反対でしたが、夏の暑さや冬の寒さの中で最も長時間、建築中の住宅の中で仕事する大工さんが、その断熱性能を大絶賛。早く施工をしてくれとの声に押され、工事担当者も太鼓判を押すに至りました。
これが平成6年の事。以来、18年間、全棟すべてにセルロースファイバー断熱材で充填断熱しています。
良いものは不変です。