第五章 勝負 ~先代社長の遺志~


奥村先生との出会いに先んじて、じつはショッキングな出来事がありました。先代社長の急死。誰も予想できなかった本当に急な死でした。


 
「責任のとれない仕事はするな」が口癖だった先代社長。「かたい会社」という安成工務店の評判を築き上げた社長は、後継者の信次を筆頭に若い者たちが夢を追おうとするのを、心配そうに、それでも黙って見ていてくれました。その存在が、大きな支えだったことは言うまでもありません。  しかし、私たちは悲しみに浸るかわりにOMソーラーの開発に没頭してゆきました。

安成の歩み

OMソーラーハウスをとおして、シミュレーションどおりの温熱環境が実現できるか?1棟1棟室内の温湿度計測を行いました。
快適な家づくりのためには一番重要なことなのにこれまで行なっていませんでした。なかなかシミュレーションどおりの結果が得られず、断熱のどこが、外部建具のどこがまずいのだろう?と試行錯誤が続きます。

まず、それまで使用していたグラスウール断熱材の施工研修を開きます。いくらきちんと施工しても施工精度が向上しないのは工法にあるとの結論に達します。

完全に充填する工法はなにか?ウレタンを壁体内で発泡させる工法とセルロースを吹き込む工法が良いことがわかりました。そこで、私たちは石油系断熱材ではなく自然素材系断熱材のセルロースファイバーこそが、その調湿性能の有無の観点からもベストであると考え標準採用を開始。以来、断熱認定を取得しながら「デコスドライ工法」として全国に認知される工法に育て上げることが出来ました。

安成の歩み

環境に特化して約20年。積み重ねた努力が大きな実績となってエコタウンに昇華しようとしています。

晩年、「やはり、日本の家は近くの山の木でつくるのが一番」と教えてくれた、先代安成信良の大工としての直感が今の安成工務店のコアコンピタンスにつながっています。



建築の分野でも試行錯誤は続きます。自社の商品を持ちたい。土地活用のお役に立ちたい。
平成4年「リバティハウス」と名づけられたRC賃貸マンションが完成しました。 それが「ニューリバティハウス」「ルネスリバティ」へと進化し、平成16年には、デザイナーズ戸建借家「UniCube(ユニキューブ)」の開発へとつながりました。