8年前に、社会問題の解決と企業の競争力向上を同時に実現するCSV(Creating Shared Value)という概念に出会った時、私たちYASUNARIグループが目指している事業概念に極めて近く、大きな安堵感を覚えたことを思い出します。
創業から70年、私たちは「美しい自然環境を未来の子供たちに引き継ぐための取組み」「地域における資源循環の試み」「豊かで助け合いの心に満ちた地域社会の創造」など、あるべき理想の社会を実現するために、社会に必要な企業として存在価値を認めてもらう為に、様々な取組を重ねて参りました。
地球温暖化対策では、太陽熱を利用した「OMソーラーシステム」に代表される省エネルギー住宅の普及促進を図り、リサイクルでは新聞紙を解繊加工して製品化した「セルロースファイバー断熱材、デコスドライ工法」の製造販売とそれを利用した高断熱住宅の全国展開を、また林産地連携による、国産杉材の「木の家」によって健康で快適で長生きできる住環境を提供してきました。
ところが、2015年9月の国連サミットで採択された、SDGsの17の大きな目標に触れたとき、例え、一地域建設業者であっても、世界の後進国の飢餓や環境汚染などのグルーバルな課題解決に取り組まねばならないという問題提起に目の覚める思いがしました。
更に、第40代ウルグアイ大統領、ホセ・ムヒカ氏の「リオ+20国連持続可能な開発会議2012」での演説を知った時、衝撃を受けました。すでに豊かな日本の中にも、地方と都市の格差、豊かさのレベルの違いといったものが顕在化しつつあります。しかし、今一度世界の視点を片隅に置きながら、私たちにできることから社会課題の解決にチャレンジしていこうと思います。