地域工務店がその地域の風土を生かして設計・施工した住宅を表彰する
「チルチンびと住宅建築賞」。
第5回目となるこの度、弊社の設計3チームが入賞しました。
選考基準は、材料の選択、計画、施工方法のいずれにおいても地域の
風土を生かし、住宅の建築を通じて地域社会に貢献していること。
日本の住宅の質向上に貢献するデザインであること。
です。
(受賞作品はチルチンびと2017年春号に掲載)
<主旨抜粋>
○最優秀賞/宇部支店 三浦和 「S邸」
深い緑に囲まれた、周防灘を望む見晴らしのよい丘陵地。建設から時間を
経た団地では樹木が大きく育ち、すでに落ち着いた雰囲気。そこで気付いた
いくつかの「場所から得た思い」から、その土地と新しく仲間入りすることとな
った建主との相応しい関係を考えました。たとえば、朝のなんとも真新しい空
気感、幾重にも重なりつながる屋根の水平ライン、格子から漏れる家の風景、
木々の緑に包まれる穏やかな安堵感。何ということのない、実はありきたりな
日々を積み重ねていく場所。そこに慎ましやかな居場所の贅沢を取り込むこ
とができていたとすれば嬉しく思います。
○優秀賞/山口支店 池澤雅彦 「I邸」
I邸は市街地から少し離れた里山の風景の中で計画されました。まわりに、山
並み、田んぼ、ブドウ園、蛍が生息する綺麗な川、そして何にも邪魔されない
青空が広がっているとても穏やかな立地です。自然の中でのびのびと子育て
をしていきたいという思いで選んだ土地。里山の風景を邪魔せず、まわりの風
景に合うように重心は低く、控えめで落ち着いた家となりました。家の中から
でも、四季の移り変わりが感じられる心豊かな暮らしをしていただきたい。朝、
ダイニングで風景を楽しみながらコーヒーを飲むことがご主人の休日の楽しみ
の一つとなっています。建主さんの思いが素直に形となった素敵な1棟で優秀
賞をいただけたことを嬉しく思います。
○佳作/下関支店 谷口誠 「S邸」
敷地は北東側の限られた方向に海が見えるという立地条件です。建主さんか
らは観葉植物や室内犬、小鳥を飼う広い土間が欲しいという要望がありました。
そこで土間から海が見えると楽しい生活が提案できるのではと考え、海がどこ
からどのように見えるかという角度には特に注意しながら計画しました。リビン
グにつながる広い土間にはグリーンが吊るされ、海のブルーと対比するような、
「たった一つの風景」が完成しました。
<参考>
□第5回チルチンびと住宅建築賞 受賞者発表
http://www.fudosha.com/ad/kenchikusho.html