安成の歩み

第五章 OMソーラーから与えられたモノ ~先代社長の遺志に対する答え~

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OMソーラーハウスをとおして、シミュレーションどおりの温熱環境が実現できるか?
1棟1棟室内の温湿度計測を行いました。 
なかなかシミュレーションどおりの結果が得られず、断熱施工に問題がある事がわかりました。 
まず、大工さんを集め、それまで使用していたグラスウール断熱材の施工研修を開きます。
断熱材はこのように隙間なくきちんと施工してくれ・・・。
でも現場に行くと隙間がある。
いくらきちんと施工しても施工精度が向上しないのは工法に問題があるとの結論に至ります。 

 断熱材を学ぶ過程で、完全に充填できる工法は、ウレタン発泡とセルロース吹込工法、そしてポリスチレンボード外張工法の3つということがわかりました。

そこで、私たちは考えた結果、OMソーラーから紹介された新聞紙をリサイクルしたセルロースファイバーの吹込工法を採用することにしました。
メーカーから材料を購入し社員で自ら施工という形で始めたものの、乾式吹込み工法はメーカーも認定を持っていないことが判明。
お客様に堂々と進めるためにも認定取得を自ら行う事を決断。
その後、断熱認定や防火認定を取得しながら「デコスドライ工法」として全国に認知される工法に育て上げることが出来ました。
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平成8年(1996年)に、OMソーラー本部に大分県上津江村の村長さんが訪ねてこられました。 

日田杉で名高い林産地ですが、直接工務店への販路を求めての来訪です。 
安成が比較的近いという事で、直ちに大分県上津江村に行くこととなりました。 
意気投合し、日田杉ではなく「津江杉」というブランドを作る事、安成が中心となって工務店の団体を作り、直接取引を行う事など、方向性は決まり、OMの北部九州の仲間たちと一緒に「九州木の家づくり協同組合」を設立して林産地連携の家づくりが始まりました。 

 晩年、「やはり、日本の家は近くの山の木でつくるのが一番」と教えてくれた、先代安成信良の大工としての直感を継承し、安成工務店の住まいづくりのコアコンピタンスは出来上がりました。