安成の歩み

第六章 受注業態を脱し、設計施工型の建設業を目指したい

下関に本社を移して民間工事中心の営業活動を行うときから、目指したの設計施工の一環体制です。 

施主の希望をお聞きし、それを「設計」と言う方法で形にする。そして責任をもって施工する。つまり施主と設計施工者の2者であれば、仔細漏らさずミスもロスも起こりにくいと考えたのです。 
その代わり、その設計は他の事務所よりも更にレベルが高く、その施工はあくまでも誠実であることが要求されます。 そこに身を置くことを昭和59年の本社移転時に決めたのです。 
しかし、当時は設計部長1名のみのスタートでした。
bae290771548f93855023a0cf3e2ca8e
多くの建設会社が建築士事務所登録を持っており、〇〇建設一級建築士事務所の屋号を掲げています。

しかし建設業の多くが受注業態で、施工のみを行う業態なのです。 
信次は、建設業が衰退するとしたら、その受注業態にあると考えました。
プロジェクトを成功に導くためには、企画・提案・設計・施工・管理といった一連の提案が出来る新たな建設業の存在が必要なのです。 

現在では、183名の社員の約23%、43名の社員が設計関連業務についており、住宅は100%、建築でも95%を自社設計で行う、特別な建設会社となりました。 

デザインビルドを行うアーキテクト・コンストラクター、これが安成工務店の特徴です。

第七章 未来 ~共生するまちづくりへ~

7eab6c733f0f0d9fa5d9491461afff62
「環境と共生する住宅」に取り組んで36年。私たちは様々な経験を重ねてきました。
近くの山の木で家をつくる運動、雨水利用システム、新聞紙を使った断熱材の開発と普及・・。 
それらを、自社開発のエコタウンをいう団地に込めてきました。 
安岡エコタウン、綾羅木エコタウン、綾羅木エコタウンⅡ、そして新下関エコタウンと4ヶ所のエコタウンをつくって来ました。
一生懸命住宅を作ればそこに住む人を幸せに出来る。そう考えていましたが、それだけでは無理という事が分かり、今では助け合って暮らすといった、住まい手どうしのコミュニケーションの工夫も安成工務店の仕事と考えています。 

更に、この想いは地域の有力企業としてもっと地域社会の役に立てないか?と、まちづくりに積極的に関わる事へ変化してきました。 
近年、民間資金や知恵を活かすPFIという公共投資の手法が徐々に広がってきました。
安成工務店も積極的に関与し、具体的に街づくりの一角をお手伝いすることを事業領域の一つとして考えるに至りました。 

民間の知恵をどう活かすか?新たなチャレンジが始まりつつあります。こころゆたかに、隣近所が助け合って暮らせる「昔のような社会」を、新しいコンセプトで紡ぎたい。「共生する家」から「共生するまち」へ―。