山口県には2つの工業専門学校がある。宇部高専と徳山高専である。宇部高専には建築関係学科がないので、高専で建築関係の学生がいるのは徳山高専だけである。
昨日、その徳山高専で特別講義を3時間させていただく機会を得た。これまで住宅関係者や林業関係者へ向けての講義の経験は比較的多いが、学生を前に話すのは初めての経験で、汗をかきかきの講義だった。
1時15分から3時までの1時間45分は3年生と5年生と専攻科1・2年の学生合計85名。3時10分から4時までの50分は5年生と専攻科の学生約50名。
テーマは「次世代に求められる建設業とは?~成熟した業界にこそ、新たなチャンスが・・・。~」。
明治維新時(1865年)3,500万人だった日本の人口は、第2次世界大戦終戦時(1945年)に7,200万人となった。それから65年で1億2,700万人でピークアウトを迎え、これから50年もすると7~8,,000万人に減少すると言われている。
つまりこれまでの65年間は高度成長の時代であり、建設業にとっても大きな需要があり産業全体が拡大した時代であった。ピークの1996年に約80兆円あった建設投資額は現在約54%減の38兆円となった。新設住宅の着工戸数はピークの1972年に180万戸以上あったものが現在では70万戸と60%減となっている。
人口減少社会へ入った今、明治維新と同様の大きなパラダイムの返還期である。これからは人口の減少に伴う、都市の収縮再生を余儀なくされる。その折に我々はどのようなまちをつくるのか?時代の反省に立ち、コミュニティにあふれた、自然素材に満ちた美しい、新しい日本の住まいが立ちならぶまちに変貌させなければならない。
そのために建設業は、受注行為のみならず、企画提案力に秀で、金融や相続にも精通し、あらゆる対応力を持つ綜合的なコーディネイターとなる必要がある。そう言った意味でこれから建設を志すのは、とてもチャンスにあふれているラッキーな時代である。非常に意味のある重要な仕事が待っている。頑張って勉強して社会に出てほしい。
といった話をしました。
緊張と共に、貴重な3時間を終えました。