社長ブログ

「ありさん」のこと

有村政時さん
 今年3月に雇用契約を終え、68歳で退職された「ありさん」(有村政時さん)が退職の挨拶に見えた。安成工務店の住宅事業部に無くてはならない重要な仕事に長く従事して頂いていたこともあり、懐かしく思い出話をした。
 「ありさん」は昭和60年に安成工務店の木工部(当時大工さんが社員だった)に入社して大工として住宅の上棟から仕上げまでを担当してもらった。平成元年に先代が残した、新設のプレカット工場(と言っても全自動でなく大工の加工小屋が進化し仕口加工の機械をそろえた程度)の所長として、構造材加工の指揮をとり、江原、岡田の優秀な若手を育てた後に、平成12年に安成工務店住宅事業部設計係長に就任してもらった。仕事は構造設計である。
 日本の高校や大学の建築科は木造住宅教育に力を入れておらず、木造の構造木組みを理解している設計者は極めて少ないのが現状である。「ありさん」の大工としての経験やプレカットの構造加工の経験を活かし、安成工務店住宅事業部の設計案件の構造設計を統括してもらうことがねらいであった。
 それから、平成17年にプレカット工場を新築移転した際に設計センターを併設し、プレカットに一番近いところで実施設計を行う体制を敷いた。丁度定年を迎えた「ありさん」には定年後の再雇用制度で引き続き実務と若手の育成をお願いした。それから8年。もう、そろそろ・・・。との声を受けて今度こそ退職・・・。となった。
 ありさんのすごいところは、パソコンをマスターし少々の構造計算はエクセルでソフトを組み、自在に仕事をすること、と、穏やかな人から愛される人望である。
大工でも現場監督でも「職人」的な思考から、年齢と共に成長し管理や営業などの幅広い仕事にスキルアップすることが大切だとつくづく思う。会社が時代の要請に合うように成長するためには、社員が成長するしかないわけだ。
 これまで、安成工務店の家づくりで、社長として安心のための大きな意思決定を過去に7つほど行った。その中の二つは自社プレカット加工体制と自社設計体制。その両方に「ありさん」は大きく関わり、実績を上げ、後継者を育ててくれた。
長いあいだご苦労さま。お疲れ様でした。豊かな老後を楽しんでください。
また、安成工務店をもっとお客様に愛され社会に必要とされる会社にしますので、これからも応援してください。