毎年、7月に実施されるOMソーラー全国経営者会議。今年はコロナ禍の中、Web開催で行われた。
同日に開催されるOM総合保証㈱の株主総会は、私が代表者を務めている事もあり、私と小林、飯田役員のみリアル参加で他の役員・株主の会員工務店さんは全員Zoom参加となった。
OM総合保証㈱の一番の役割は、会員工務店が何らかの理由で倒産した場合、被害者となる工事中の施主様に対し、役務保証を行うことである。つまり、仕掛かり中の工事を最後までOM総合保証の責任において完成引渡しさせるわけである。
昨年、長野県で会員工務店が1社倒産し、3件のOMソーラー搭載物件が途中で中断することとなった。直ちに管財人と協議し、近在の会員工務店の手で工事を再開し、今年の4月にすべて完成引渡しをさせて頂いた。倒産工務店がそうとう無理な発注をしており完成にこぎつけるために掛かった費用が合計約1,600万円となった。
今回の総会では、そこで生じた損害を、会員工務店がこれまで預託してきた預かり保証金4.4億円から取り崩して処理する内容を含んだ、貸借対照表・損益計算書の承認が第一号議案となっている。
予定通り承認可決された。これまで10数年間のなかで10件程度の倒産はあったが、本件が一番大きな損失補償となった。それにしても、OMソーラーで家を建てる全国のお客様にとっては、これほど安心できるシステムは他に無いのではないかと自負している。
太陽熱を使ったパッシブソーラーシステム「OMソーラーシステム」も夏場の対策としてヒートポンプを利用した空調システムを搭載し、フルシーズン対応で且つ太陽光発電でエネルギーを自給するシステムとして他に類を見ない内容に進化した。
安成工務店がOMソーラーハウスの事業を開始して30年経過しても尚一層、OMをお勧めする理由は、OMソーラーによる快適空間を多くの方にお届けしたいという気持ちに他なりません。
今から16年前、PHP主催の全国の工務店を選別したセミナーがあった。集まったのは各県の錚々たるメンバーであった。年間200棟を超える住宅をつくる会社も複数社あり、しかも分譲ではなく木造のきちんとした注文住宅を建てている会社が多かった。
夜の懇親会でお互いの取組を話す中、林産地と連携し、あるいは大工を育成しつつ日本のあるべき家の姿を模索している各社の様子を聞くにつけ、同じ考え方で頑張っている会社がある事に勇気づけられた。そして、地域の工務店が林産地と連携し地域の職人を育てながら住宅をつくる。そのような産業の形態が未来の地域型住宅のあるべき姿であるという共通の思いの元で、継続して情報交換のために集まることを確認した。
愛知県の新和建設さんは、自社で100人の大工を養成し、年間200棟近く家づくりを行う会社で、吉村社長(現相談役)は大工の出身。吉村社長の音頭でNPO法人環境共棲住宅「地球の会」を設立することとなった。事務局を束ねる専務理事には吉村さんの知人で、マーケッターでもあり詩集を3冊出している詩人でもある佐藤善秀さんにお願いすることになった。
丁度、今年で15年を迎え、2代目の会長として4年目の総会をこのコロナ禍の7月28日にリアルな集合として迎えることとした。
15年前に比べ、国産材の木材でつくる木の家が当たり前になった事に喜ぶ気持ちと共に、地域の工務店力は減衰してきていることを感じざるを得ない。
これは、工務店という専門業態の技術やサービスが広く深い専門性を求められるため、ある程度の専門家集団でないと対応できない側面から、従前の小さな、町の工務店では対応力に差が出ることと、そのような会社の寿命が経営者の寿命と連動することが大きい。
もう一つは、大量生産大量消費の文化は今だ衰えを知らず、職人を必要としない石油由来の新建材はメーカーの性で勢いを増す現状がある。建材や住設機器の進化はそれ自体、大歓迎ではあるが、コロナをきっかけに安い国でものをつくり高い国で高く売る仕組みや、自国で作る人を育てない現状に大きな反省が生まれ、ものづくりと本物の価値を見直すきっかけになり始めたことはせめてもの喜ぶべきことであろう。
工業化住宅は、それはそれでよし。地球の会が目指す、近くの山の保全再生をしつつ、健康にも良い自然素材の木の家を供給し続ける新住宅産業とそういった家づくりが更に認知周知され、家づくりの憧れまで昇華される未来は遠くないと信じたい。
リニューアルした住宅事業部のホームページの中に「家づくりのこだわり」というコーナーがあり、その中の「呼吸する木の家」に社長動画をアップした。
・安成工務店>家づくりのこだわり>呼吸する木の家
https://www.yasunari.co.jp/discerning/wood.html
撮影後、また編集後に見てみると、活舌が悪く、聞き取りにくい部分が少なからずあり、再度、撮りなおそう、または切り口を変えてもっと何本か撮影しようという欲求がふつふつと湧いてきた。
ことさら想いを伝えることは難しいと思うものの、もっと繰り返し話したいと思う。これはこれから家を建てようとされる方に安成の思想という選択肢を知ってもらいたいのは当然だが、社員や多くの業者さんにももっと知ってもらいたい。
当然、今の安成工務店を外から見たイメージも、社員一人一人の立ち居振る舞いも、また関わるスタッフのお客様に与えるイメージも、これまで長い間、「我々はこうありたい。」「このような家を目指したい。」「こんな新たな建設業になりたい。」と事あるごとに言い続けてきた結果であるのは紛れもないことなのだが・・・。
一本のゆるぎない道を、折に触れ、言葉を変え、ある時には同じ言葉を何度でも伝えることで、それらは、社員一人一人の仕事に対する姿勢や、夢や信念や使命感になると信じている。
さあ、気を取り直し、今度は活舌に注意してVTRカメラに向かおう。
学校法人片山学園小郡幼稚園の新園舎の新築工事を担当させて頂いた。設計は幼稚園建築で高名な建築家の竹原義二先生(無有建築工房)である。
全国の木の家づくり工務店が集まって作ったNPO環境共棲住宅 地球の会が建築家の先生方と連携を取るべく、設計施工フォーラムを3年前に立ち上げた。その時関西、関東の住宅作家として活躍されている大御所の建築家の先生方5名に幹事役として若手建築家を集めて頂いた。その時、ご尽力を頂き知己を得た。
一昨年お電話を頂き、山口市で保育園を設計中なのだが、施工が可能か?との打診を頂いたのがきっかけで、入札を経て施工を担当することとなった。
計画図を見たとき、その複雑さや独創性にとても驚き、またやる気が俄然湧いてきたことを思いだす。県産スギ材をふんだんに使った素晴らしい保育園である。
収まりや木材の乾燥や工期の面で難しい工事であったが無事予定通り完成し先日お引き渡しをした。
子供たちのあそぶ姿を見て、また片山先生の園児たちへの教育方針を聞くにつけ、森のようちえんとも通じる素晴らしい先生に出会えたこと、その園舎を担当させて頂いた天の配剤に心より感謝したい。
私たちの家づくりが片山先生の思想と同じであることに自信を深めることが出来たし、そのような非住宅の木造建築に積極的に取り組んでいる弊社にとって、代表作の一つと言える素晴らしい建物となった。
このご縁を頂いた竹原先生、そして片山先生に心より感謝を申し上げたい。
現在、すべての住宅には地盤調査が義務付けられている。そして調査の結果、なんらかの改良工事(各種杭や表層改良など)が判定として出た場合、改良工事を行うことになります。一昨年、昨年のデータでみると、地域によって改良判定の割合はそれぞれ違うものの、弊社の施工範囲である山口県福岡県全体でみると43%がなんらかの改良工事判定となっている。
全国的に見て地盤調査を行う会社の多くが改良工事も受け持つことが多いのも事実である。また、改良工事を行っても万が一の不動沈下の際の補償策として地盤保証保険に加入する事も一般的になってきた。
弊社では20年max5,000万円の保険に入るようにしている。
さて、安成工務店グループでは、改良工事会社を持たない独立系地盤調査会社であるアースレイズで7月15日から地盤調査を行うこととした。
埼玉に本社を置くアースレイズは構造事務所を兼ねていて、通常のスウェーデン式サウンディング方式の地盤調査に加え、支持層までの25㎝ごとの土質サンプル採取と含水比を合わせて調べ、解析する方法を取っている。これによりより細かい地盤解析が可能になり、不要な場所には不要、本当に必要な場所に必要と、メリハリが聞いた判定が出せるとの事。結果、やらなくて良い地盤に不要な杭や費用をかけることを防ぐ効果が期待でき、まさに地球にやさしい地盤調査システムと言えます。
アースレイズHP
http://corp.earthraise.co.jp/index.html
日本でも強制力はないものの、緊急事態宣言が発令され、都市間移動や日常の勤務の仕方に大きな変化を余儀なくされている。3月から弊社も一切の出張を中止し今月から在宅勤務を増やし、一度に会するのは通常の3割のメンバーにとどめるように変更した。山口県福岡県間も移動をなくし、Web会議のみにした。これまで他のWeb会議システムを使っていたが制限が多く、今はZoomで会議することがとても増えた。
仕事以外の、全国的な同業者の会であるNPO環境共棲住宅「地球の会」でも理事会を取りやめすべてWeb会議に切り替えた。一日を費やすことなく皆集まれるのでWeb会議はいたって簡単便利である。毎週水曜日の夜7時から、コロナに対抗する工務店対策の情報交換と銘打って行っているWeb座談会(飲み会)などは、これまでより更に多くの情報が行き交う場となっている。とても面白い。
お客様がモデルハウスにおいでになりにくい環境もあるので、Web見学会やWeb相談会なども手探りで開催している。
改めて思うのは、人の暮らしをつくづく考える時間が持てることだ。多くの人が休みにどこに行けないので家を片づけたり、庭を手入れしたり、暮らしや人生の価値を考える時間を過ごしていることと思う。
ジムも休館なので、家内と2人で夕食後に1時間歩くことにした。1か月以上も毎夕食を決まった時間に家で食べること自体、初めてことではなかろうか?
あれだけ押しかけていたインバウンドは時間と共に戻るとは思うが、生産拠点を海外に移すグローバル化・・・。なども、もしかしたらまやかしで国内回帰を始めることになるかもしれない。
コロナ後の世の中は、価値観はどうなるのだろうか?
住まいに関しては、自然素材の木の家で健康に暮らす。ことがもっと求められるような気がする。
今年の新入社員の入社式を行った。
大卒1名、専門学校卒4名、工業高校卒1名、普通高校2名そしてベトナムから高度人材採用で2名の合計10名である。コロナ感染拡大が気にはなったがリアルな入社式をした。
ベトナムからの2名は向かって右の2人である。
背の高い眼鏡の青年がディン・ミン・ティエン君ホーチミン市建築大学卒、となりがグエン
ドウック ラム ソン君がダナン工科大学卒の両名とも25才である。二人とも安成工務店山口建築事業部に配属し、これから一般建築の施工管理を中心に日本の生活を始めていく。頭脳明晰、やる気も一日一倍強くこれからが頼もしい青年である。彼らを同期にもった他の新入社員もこれまでとは違う緊張感にあふれた入社式だった。今年の新入社員は入社早々コロナ禍で仕事の仕方にも影響が出るが、頑張ってほしいものだ。
秋にも2名のベトナム社員が入社予定だが、果たして入国がスムーズに行くか?今から心配である。
九州大学箱崎キャンパスの閉鎖に伴い、九州木の家づくり協同組合の資金で建設した九州大学伊都キャンパス内の実験棟が完成したのは2018年の9月。これまでの実験棟が天然乾燥スギ材と新建材(樹脂建材)との比較の2室であったの加え、今度は天然乾燥スギ材と高温乾燥スギ材、そして新建材(樹脂建材)の3室仕様となりました。
また、これまでは林野庁の採択研究で補助金を頂いての研究だったのですが、5年を経過し補助金打ち切りとなってしまいました。
そこで、心ある多くの木の家を建てている工務店に声掛けし、実験費用や成果を共有すべく、新たに「協同組合 木の家の健康を研究する会」(https://www.kitokenko.com)を昨年11月に設立した。工務店の正会員20社、木材業者3社の合計23社が会員である。
昨年はHPに加え、研究報告誌「健康に良い 自然素材の木の家」を発刊した。
木の家といっても、内装のみが自然素材の木の家、構造材や断熱材まで自然素材にこだわるケース。稀だが一切接着剤を使った合板を使わないケース。といろいろ各社のこだわり仕様があります。でも我々のように自然素材の家づくり標榜する会社は恐らく木造住宅20万戸/年の供給量の内3~5%で他はバリバリ新建材(樹脂建材)住宅なのです。
※細かいデータがないので推測ですが・・・。